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クイクイと俺の服の裾を引っ張る何か。それに目をやれば大きな円らな瞳が俺を見ていた。 俺と視線があうとニパっと笑う。 「パ~パ」 うん。 勘違いだね。 「パ~パ」 固まる俺に笑いかける娘。 「ごっ、ごめんなさい!まだこの子、パパとママしか言えなくて…あの…その気を悪くさせてしまって…」 だんだんと小さくなっていく声の方を向くとしゅんと小さくなって俯く三上さん。 髪を耳にかけながまだモゴモゴと何か言ってる。 耳が赤い… 「ハハッ」 可愛いなぁ…と思ったら思わず笑ってしまった。 「あ…あの…」 少し顔をあげて俺を見る目は上目遣い。 この人意識しないでこういうのしてんだろうな。
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