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始めに言っておきたい。
僕は普通の、それこそどこにでもいる一般男子高校生だ。
そう声高らかに宣言したところで、この声は誰の耳にも留まらない。
実家暮らしだが、母は寝ているし父は仕事。一人部屋だから周りに誰もいないのは勿論のこと。
第一、先程の宣言は心の声に過ぎない。
稀有な能力――例えばサトリであったり、テレパシーが使えたり――を持ったものが居るか、もしくは僕がサトラレでない限り、その声を聞くことは到底出来ないのだ。
ならば、誰にわざわざ宣言する必要があったのか。
実は必要性はなかった。
認めざるをえない。
しかし、敢えて弁解をさせて貰えるのなら、それは、似たような衣服を前にどれを着ようかと悩む僕を、
(どれも一緒じゃねぇか。似たような服ばかり買いやがって、変態)
と罵ってくるもう一人の僕への台詞なのだ。
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