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自己完結に到ったところで、僕は半透明の衣装ケース(中段)から、ノースリーブのフード付パーカーを取り出した。
薄手だが長袖のフード付トレーナーはきっと暑かろう。
下は、学校指定のカッターシャツと灰色と黒のチェックのスラックスだから悩む必要はない。
夏場は年中無休で開けっ放しの窓――かといって不埒な輩(虫)に寝込みを襲われるわけにはいかないので網戸は閉じてある――からは、清々しい風が吹き込んでくる。
雲一つない青空の下、新緑の街路樹がきらきらと眩しい。
そんな光景を見下ろしながら、僕は羽織ったパーカーのフードを頭に被せた。
(部屋の中なのに被るのかよ、変態)
もう一人の僕が言った。
何でもかんでも《変態》と結び付けるのは如何なものかと思う。
変態云々の前に僕は変ではないし、ましてやつい先程宣言した通り、普通の学生にすぎないのだ。
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