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刹那、僕の体に衝撃が走った。
比喩なんかじゃなく。
体は後方に吹き飛んで、何が起きたのか理解するには数秒を要した。
小人たちがばらばらに落ちた頭の歯車を組み立て、ついでに錆び付いていた箇所にオイルをさしてくれる。
これで飛躍的に成績が伸びる。
といいが、世の中はそんなに甘くはない。
「大丈夫?」
「うん」
僕は手を差し出した。
女の子が力強く僕を引っ張り起こしてくれる。
……………………
いや待て。
逆だろ。
「ごめんね、それにしても暫く動かないからびっくりしちゃったよ。痛いとこない?」
「うん」
「そっか、よかった。じゃあもう行くね、ほんとごめんね」
曲がり角ガールは爽やかに手を振り走り去った。
臀部がジンジンするが、男のメンツを保つ為、僕は何事もないように笑顔で手を振り返した。
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