ひだまりの朝

そのうち会話の音が静かになって、今度は廊下を歩く音。

先生の大きくてゆったりした足音と、バタバタと騒がしい高杉の足音。ヅラのはパタパタって感じ。静かに歩こうとしてんだけど先生に追いつこうとしてるみたいに少しうるさい。

それが俺の部屋の前を通り抜けて台所のほうに行った。

「銀―――お―て―――んで―――？」

「どう――狸――りですよ」

「おこ―――き――――か？」

台所は玄関より遠いから声が聞こえない。けどどうせ俺を起こすか起こさないかでいろいろ言ってるんだ。

だから俺は、毎朝自分では起きない。だって、分かってるから。

「―――おね―――しま―」

「はい！」

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