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先生に纏わりついていた二つの足音がこっちに来る。
くるりと布団の中で反転して鼻だけ布団から出すと途端に開いた障子から味噌の香りがした。味噌汁は最初に具を切るんだって言ってるのに、先生また味噌からやってる。味が濃くなるからあんまり煮詰めないでって言ってるのになぁ。
「ヅラ飯食ってきたか?」
「ヅラじゃない桂だ。当たり前だ、とてもじゃないが先生の料理を食おうとは思わん」
「まぁなー。銀時もよくあんなん食って腹壊さないよなァ」
確かに先生の料理は壊滅的に不味いけどせっかく作ってくれんだから文句なんか言わないし。お前らみたいにいいとこの坊ちゃんじゃないから食べ物を粗末にしないだけだし。
なんて言ってみるけど先生に内緒でヅラの姉ちゃんに料理を習ってるのは絶対に秘密だ。
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