序幕:出逢いとは、必然に

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──────その時。 「その女、なかなか使えるよーじゃねーか」 ガタッと荒々しく襖が開き、土方が部屋に入ってきた。 「話は全部聞かせてもらった」 「土方さん……盗み聞きですか」 はぁ…と溜め息を吐き、冷めた目で土方を見る総司。 「うるせえっ!はなっから俺の気配に気付いていやがったクセに!」 「わざと気配を消さなかったでしょう?」 「分かってんなら俺をそんな目で見んなっ!」 目の前で始まった喧嘩に、香は呆気にとられる。 斎藤は動じることなく目を伏せているだけだ。 きっとこの二人の喧嘩は日常茶飯事なのだろう。 ・
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