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香は申し訳なく思った。
私はこの人達に迷惑をかけているのかもしれない、と。
だけど私はここで引く訳にはいかないのだ。
「───とにかく、詳しいことは暇がある時に話す。身の回りの事は斎藤でも総司にでも訊いてくれ」
面倒臭そうに頭をかくと、土方は立ち上がる。
「……分かりました」
香はそう返事をすると、部屋を出て行く土方へ深く頭を下げた。
「土方さん!ちょっと待って下さいよ!」
総司は慌てて立ち上がると、土方の後を追った。
部屋に香と斎藤、二人だけが残され、怖いくらいに静かになった。
「…………………」
重たい空気が流れ始めた時、ふと斎藤が口を開く。
「……お前は何も迷わなくていい」
「……え?」
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