第一幕:複雑な気持ち

4/5
前へ
/52ページ
次へ
指を離し、そのまま手を頬へと滑らせた。 ───その時。 「沖田さん。いるか?」 「!」 総司は驚き、慌てて香から手を離した。 「さ、斎藤さんですか?どうぞ」 総司がそう返事をすると、障子が開いた。 「朝餉の時間だが」 そう言って香を見た。 「なんだ…起きないのか?」 「はい。揺さぶってみても起きなくて」 「そうか」 斎藤はそれだけ言うと、香の傍へ腰を下ろした。 そして──── 「露桐!敵襲だ!起きろ!」 ・
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

301人が本棚に入れています
本棚に追加