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「圭吾さん、兄と会って話をします」
「わかった。じゃあ、呼んで来るよ」
古城の兄は、そう言うと部屋を出ていった。
呼んで来るという事は、すでに、屋敷内にいるのだろうか…
ガチャ…しばらくして、圭吾が戻ってきて、その後ろには、スーツを来た男性がいる。
髪こそ、ダークブラウンの短髪だが、小さい時から、ずっと見ていた顔がある。
拓司は、いつの間にか、龍巳より背が高くなった。
5センチ。いや、それ以上、差があるだろうか。
「拓司、お連れしたよ。酒巻 龍巳さん」
拓司は、立ち上がり足を進める。
圭吾が、拓司の少し手前で足を止めると
龍巳は、圭吾に一礼をして拓司の前に来た。
「久しぶり…たく。今は社長になってるんだって?」
「龍にぃ…」
何年ぶりかの再会。拓司はすぐに言葉が出なかった。
圭吾にすすめられ、ソファーに腰かけ、向き合う2人。
「たく、ずっと会いたかった。お前は、オレたちに対して嫌な思いがあるかもしれないが…」
龍巳の言葉に、拓司は目を閉じる。
「…そうだよ。龍にぃたちのせいで、私の身体は、男でなければ感じなくなってしまった。
そのせいで、社員にまで…」
「えっ!?社員て…どういう事だ!!?」
拓司の言葉に驚く龍巳。
だが、圭吾は、2人の会話に、驚く様子を見せなかった。
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