愛をください

4/12
前へ
/22ページ
次へ
  「圭吾さん、兄と会って話をします」   「わかった。じゃあ、呼んで来るよ」   古城の兄は、そう言うと部屋を出ていった。   呼んで来るという事は、すでに、屋敷内にいるのだろうか…         ガチャ…しばらくして、圭吾が戻ってきて、その後ろには、スーツを来た男性がいる。   髪こそ、ダークブラウンの短髪だが、小さい時から、ずっと見ていた顔がある。    拓司は、いつの間にか、龍巳より背が高くなった。 5センチ。いや、それ以上、差があるだろうか。     「拓司、お連れしたよ。酒巻 龍巳さん」     拓司は、立ち上がり足を進める。   圭吾が、拓司の少し手前で足を止めると 龍巳は、圭吾に一礼をして拓司の前に来た。     「久しぶり…たく。今は社長になってるんだって?」    「龍にぃ…」     何年ぶりかの再会。拓司はすぐに言葉が出なかった。      圭吾にすすめられ、ソファーに腰かけ、向き合う2人。     「たく、ずっと会いたかった。お前は、オレたちに対して嫌な思いがあるかもしれないが…」   龍巳の言葉に、拓司は目を閉じる。     「…そうだよ。龍にぃたちのせいで、私の身体は、男でなければ感じなくなってしまった。 そのせいで、社員にまで…」   「えっ!?社員て…どういう事だ!!?」     拓司の言葉に驚く龍巳。 だが、圭吾は、2人の会話に、驚く様子を見せなかった。    
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

282人が本棚に入れています
本棚に追加