プロローグ

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…一瞬何が起きたのか分からなかった。 分かったのは体を半分に斬られたジュリアンだけだった…。 俺はあまりの一瞬の恐怖と悲しさに何も言えず、ガタガタと膝をつくしかなかった。 「残ったのはお前だけか?最後に何か望むことはあるか?良ければ神のご加護に叶えてやってもいい。」 奴はそう言ったが、(今思えば神に背く願いだったかもしれないが)俺は1つの思いしかなかった。 「…ス。」 「はぁ?何て言った?」 「俺はお前を…殺す!!絶対に!!」 泣きじゃくりながら俺は言った。 俺の上半身が宙を舞っていく。 奴の手によって。 「それは無理だな。」 奴はそう俺に話しかける。 ……部屋に落ちてるリンゴに手を伸ばして。
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