冬の向日葵、夏の椿

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        ◇  ◇  ◇ 事が起こったのは数日後、からっと晴れたある朝だった。 「蒼妃ぃぃぃぃッ!!!!」 爽やかな朝の空気にヒビを入れたのは、天をも揺るがす土方の怒声だった。 「…………はい?」 まるで、図っていたかのように、土方の部屋に蒼妃はすぐに現れた。 彼女は箪笥の前にいる、鬼も裸足で逃げ出すような形相の土方に向かって、にこりと微笑みさえした。 「――――俺の着物はどこへやった?」 「ほつれていた物は修繕に、擦り切れていた物はゴミに、汚れていた物は洗濯に」 地を這うどころかえぐり取るような声にも怯まず、むしろ楽しそうに返す蒼妃。 その口元は堪えきれない笑いのせいでひくひくと引きつっていた。  
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