笑えない理由
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ひと突きにした心の臟に刺さったままの短刀が止血弁のような役割を果たした。 おかげで右手に少し血がついた程度ですんだことに感謝する。 そして日増しに上達していく腕に、嫌悪感を抱く。 それが俺の最近の日課になりつつある。 「…………帰るか」 誰にともなく呟いて、もう一度さっきまで生きていた物体を見下ろして、俺はその部屋から去った。
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