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「いや~、笑えるってすごいなぁ、と思いまして……」
仕方ないから本当の理由をちょっと――いや、だいぶぼかして言えば案の定、副長の眉間の皺はさらに深くなった。
「何言ってんだ? 意味が分からん」
「とにかく、副長はそのまんまでいてくれはったらいいんですよ。ほな」
「は? ちょ、おい、山崎っ!?」
逃げるように……というか、逃げてきた。
何のために副長の部屋に行って、一体何を求めてあんな事を言ったのか。
自分でも全く分からない。
ただ、改めて自分の異質さを認識しただけだった。
俺は、いつから感情を失ったんだろうか。
昔はよく笑っていた。
昔はよく怒っていた。
昔は時々、泣いていた。
「俺はいつから…………」
答えなんか誰も、くれない。
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