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片や真っ赤な顔で目を瞑り、片や真っ青な顔でもがいている二人を傍らに座る原田は呆れた目で見ていた。
「原田さん、これは一体…………」
とりあえず永倉と斎藤を引き離した後、蒼妃が訊くと原田はげんなりとした表情で説明した。
「一の熱が異様に高くてよォ。
風邪つってもあんまり高熱だと危ねェからって山崎が薬持ってきたんだけど、飲むの嫌だっつうから…………」
「永倉さんが?」
「ああ。俺と新八でじゃんけんして、負けた新八が飲ませたまでは良かったんだけど…………」
一旦言葉を切った原田は隅に丸まって藤堂に慰められている永倉を憐れみの目で見てから続けた。
「うまく言えねェけど、一が酔ったみたいな感じになっちまって」
「がっしり捕まって濃厚に舌絡められた挙げ句腰砕けになった、と言うことですか」
「…………まさしく」
あまりに明け透けに言う蒼妃に対し、原田は驚きながら頷いた。
「……取りあえず、山崎さんを呼びましょうか。薬飲ます度に犠牲者増やせないですし」
蒼妃は藤堂に山崎を呼びに行くように頼み、少し警戒しながら斎藤に近付いた。
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