笑えない理由

11/13
前へ
/43ページ
次へ
  冷たい畳が、まるで体温を奪ってるみたいだな。 だらしなく四肢を投げ出して、仰向けに寝転がったまま俺はそんな事を考えていた。 このままどんどん体の熱を奪われて、知らない内に死んでしまうのもいいかもしれない。 あるいはこのまま眠って、二度と目が覚めないとか。 それとも、もう死んでたり――――? 「……って、あほらし…………」 柄じゃない。 こんな風に悲観的で非現実的な事を考えるのも。うじうじと悩むのも。 死んだ奴の事なんかを考えるのも。  
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

261人が本棚に入れています
本棚に追加