ChapterⅠ

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「ライ、お前はどの属性だろうな?」 保健室のある職員棟に移動するためにグラウンドを歩いている途中、影司に話しかけられた。 「何って特にないけど……お前はどうなんだ?」 「俺は親父の影響で光と闇の双属性かもな?」 影司の父親、黒沢 光司(クロサワ コウジ)さん。ギルド構成員という高名な魔術師。 世界でも珍しい双属性、しかも相反する光と闇の。 属性はたとえ血の繋がった家族であろうと、違う属性になることが多々ある。 「そうかもな。お前のお父さんは有名だからな」 ただし、とても力の強い魔術師の子供は、ほぼ確実に親と同じ属性になる。つまり遺伝だ。 ただ、双属性までも遺伝するということは聞いたことがない。 聞いたことがないと言うよりも、実例がないのだ。
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