ChapterⅠ

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「雷と風の双属性ですか……」 俺が触れた魔水晶は、雷を彷彿させるような黄色と、大自然を彷彿させるような緑色が発現した。 「そっ、双属性……ですか?」 そんなこと…あるはずがない。こんないかにも魔法を使いこなせなさそうな俺が……、 「…いえ……」 先生が申し訳なさそうな声を出す。 双属性を持つ魔術師はその2つを合わせることで、より強力な魔法を作り出すことが出来る。 そのため……その危険を断たんとする魔術師も少なくない。 それこそが、双属性の遺伝の実例がないことの実態。 「…では、測定結果です…。 魔力は……Cランク、中の上くらいです…」 先生が測定結果の記された紙を渡してくれたが、言葉は耳には入らなかった。 俺は1人で教室に歩いていく。影司から何か言われたが、今は聞こえない。
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