私という人

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あれから六十年。私ももう八十歳になった。 自分なりに一生懸命生きてきたつもりだ。 いつお迎えがきても大丈夫。悔いはない人生、最高な人生だったと自分自身を褒めてやりたい。 私は三十歳で結婚した。その後子供も一人できたが妻とは離婚した。 妻の浮気が原因で。 子育てに不安はあったが男一人で息子を育ててきた。息子のためにがむしゃらに働き、一緒に遊び、愛情をたくさん注いでやった。 時は流れ、そんな息子も結婚し、私は孫にも恵まれた。 何も思い残すことはない。人生を真っ当出来たと思う。これでやっと君に会える。 ただその思いだけが私を満たしていた。
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