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きゃぁ、またストライク♪
なんか今日はすごく調子がよくて、最初からダブルでストライクを出してしまった。
遙も1回目はストライクだったんだけど、2回目は2本残して、スペア。
今の所は私の勝ち。
しかも、80もハンデくれてるし、もしかしたら勝てるかもしれない!!
だけど、男の子ってやっぱり凄いなぁ。
遙の使ってるボールは私の倍以上の重たさで、投げたとたんに、ドォォンって凄い重低音が響いているのに、私の投げるボールよりスピードがある
んだもん。
どれだけの力で投げてるんだろ?
「うわっ。ヤベっ」
5回目の投球を終えて、二人の点数差は20ちょっと、で私が負けてるんだけど、ハンデを足すとまだ60私の勝ち状態。
遙は少し焦ってきたのか、最初は冗談とか言いながらだったのが、真面目モードに入っている。
いつも生意気な瞳が真剣味を帯びて、さらに遙をかっこよく見せてるのは、多分恋人の欲目じゃないと思うんだよね。
6回、7回とゲームが進み、8回目に私が投げようとボールを持った。
アレ?
何か、少し違うような………。
小さな違和感を感じながらも、そのまま投球。
だけど、見事にガーターしてしまった!
うわぁ、どうして?
「あはは、お子様用のボタン押してやろうか?」
スコアボードを調節するモニターに、子供が楽しめるように、溝の横に柵を出すボタンがあって、遙は笑いながらそんな冗談を言ってる。
「うるさいっ。まだ1球あるんだからね」
ボールが再び戻って来て、もう一度球を持ったとき、さっきの違和感の訳
がわかった。
「遙!ボール変えたでしょ?」
最初に私が使っていたボールよりさらにもう一つ軽いボールになっている。
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