2 勝負事

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 きゃぁ、またストライク♪ なんか今日はすごく調子がよくて、最初からダブルでストライクを出してしまった。 遙も1回目はストライクだったんだけど、2回目は2本残して、スペア。 今の所は私の勝ち。 しかも、80もハンデくれてるし、もしかしたら勝てるかもしれない!! だけど、男の子ってやっぱり凄いなぁ。 遙の使ってるボールは私の倍以上の重たさで、投げたとたんに、ドォォンって凄い重低音が響いているのに、私の投げるボールよりスピードがある んだもん。 どれだけの力で投げてるんだろ? 「うわっ。ヤベっ」 5回目の投球を終えて、二人の点数差は20ちょっと、で私が負けてるんだけど、ハンデを足すとまだ60私の勝ち状態。 遙は少し焦ってきたのか、最初は冗談とか言いながらだったのが、真面目モードに入っている。 いつも生意気な瞳が真剣味を帯びて、さらに遙をかっこよく見せてるのは、多分恋人の欲目じゃないと思うんだよね。 6回、7回とゲームが進み、8回目に私が投げようとボールを持った。 アレ? 何か、少し違うような………。 小さな違和感を感じながらも、そのまま投球。 だけど、見事にガーターしてしまった! うわぁ、どうして? 「あはは、お子様用のボタン押してやろうか?」 スコアボードを調節するモニターに、子供が楽しめるように、溝の横に柵を出すボタンがあって、遙は笑いながらそんな冗談を言ってる。 「うるさいっ。まだ1球あるんだからね」 ボールが再び戻って来て、もう一度球を持ったとき、さっきの違和感の訳 がわかった。 「遙!ボール変えたでしょ?」 最初に私が使っていたボールよりさらにもう一つ軽いボールになっている。
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