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「あ、バレた?」
上を見ながら舌をペロリと出して、悪ガキそのままな遙は反省の色なし。
うわぁ、卑怯だ!!
「ズルイ!!今のチャラよっ。やり直し!!」
モニター近くに行って画面を操作しようとしたら、卑怯者の遙に止められてしまった。
「ばぁか、ソロソロ手が疲れただろうと思ってわざわざ軽いヤツにしてやったんだろ。
何がチャラだよ。勝負の世界は甘くない!」
「絶対ウソだ。失敗すればいいと思って、勝手にボール変えたんでしょ?」
「志緒理って、オレのことそんな風に思ってたんだ?なんか、ショックだな。
じゃあいいよ、チャラにしてやるよ」
切れ長の目を伏せるようにして、落ち込んだような表情の遙。
え?
傷つけた?
もしかして、本気で私の心配をして変えてくれたの?
「………ごめん、いいよ」
謝って大人しくベンチに腰をかけると、遙は表情を一転させて、呆れたように笑った。
「志緒理ってホントバカだよな。
わざとボール変えたに決まってんじゃん。騙されるなよ、オレの下手な芝居に」
やられた!
くやしいなぁ。
だけど、遙の笑顔があまりにもかわいいから、私は許すしかない。
結局遙はスコアを調整して、チャラにしてくれたんだけど、私は3本しかピンを倒せなくて、あんまり意味がなかったのかもしれない。
ラストゲームになって、二人の点差はハンデを使っても15私の勝ち。
ココでスペアかストライクを取ればなんとかなるかもしれない!
気合いを入れて一級を投げようとした時
「志緒理、ヤバイッ!パンツ見えるって!」
え、やばい!!
思わずお尻を気にした途端に、ボールは手から離れてレーンの上をゴロゴロと転がっている………。
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