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「遙っっ!Gパンはいてるのに、パンツが見えるわけないじゃん」
つい、条件反射で反応してしまったけど、また遙の罠にやられてしまった。
「そう?何となく言ってみただけなんだけど、ホッント志緒理は騙されやすいよなぁ」
スコアを見るまでもなく、私はガーターを出してしまい、賭けは遙の勝ち。
最初から遙はあの手この手で、絶対に勝つつもりだったから、自信があったのね。
今さらながらに、遙の負けず嫌いな我が儘な性格がまだ中学生だということを実感させてくれる。
やっぱり、かわいいなって思うのは秘密にしておこう。
じゃないと、また子供扱いするなって怒られるんだもん。
きっと相手が私じゃなかったら、遙の罠にまんまとはまる事もなかったんだろうけど、見事に騙されてしまう私も、十分幼いのかもしれないけどね。
「じゃ、約束通り今日はオレに服従な?」
勝って満足そうに晴れやかな笑顔な遙。
「ダメ!アレは正々堂々の勝負じゃないでしょ?」
「志緒理は勝負ってモノをわかってない!
勝ちゃぁそれでいいんだよ、どんな手を使ってもな」
な、何よその理屈。
だいたい遙に服従なんて、どんなことをされるかわかったものじゃない。
恐ろしくて、納得できないわよっ。
なのに、遙はさっさと自分一人で話を終わらせてしまって私の手を引っ張るように先へと進む。
「どこに行くの?」
「とりあえず秘密」
また、何かたくらんでいる顔で遙は微笑んだ。
この笑顔がくせ者なんだよね。
ホント、一体どこへ行くのだろうか?
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