始まり

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『ただいま―』 『ただいまでござる』 元から狭い家だが二人になるともっと狭くなるな.仕方ないか 『準備するからソファーにでも座ってな』 『かたじけないでござる』 久々にこの家のコンロを使うな…ちゃんと点くのか? カチカチカチ.ボッ おぉ点いたぞ ヤカンは…無いから鍋で良いだろ 昔.買っておいて良かった 『そう言えば市子って何歳なんだ?』 『15でござる』 『若いな.その年で忍者になれるんだな』 『10の時から修行を積んでいるでござる』 『忍者になるのも大変なんだな』 『もう馴れたでござる.ところで正太郎殿はいくつでござるか?』 『今年で二十歳だ』 『今まで三十路かと思って居たでござる』 『俺ってそんな老け顔か?』 『老けては無いでござるが若々しさが無いでござる』 『余計なお世話だよ』 『仕方ないでござるよ』 そう言って笑う市子 そろそろお湯沸いたかな? 『もう少し待ってろよ?』 『承知』 おっ.沸騰してるじゃん
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