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「え…今なんて言った?」
「あなたに超能力を提供します。あとは自由に生きてください。」
一文字も狂わず同じ事を言ったグレ子は顔をひきつらせている黒井を見つめた。
「まじかよ…」
黒井は驚愕していた。
まさか自分がこの夢を見るとは…。
そう。黒井はこの夢を知っている。
人類がこの夢を見るようになったのは数十年前からであった。
その夢には見知らぬ人間と自分しかいない。
そしてその人間はこう言うのだ。
「あなたに超能力を提供します」
そして自分が手にする超能力名、そしてその超能力が生み出す効果、使い方などを教えられる。
そして目が覚めると立派な超能力者になっているのだ。
世界的な大問題として世界はパニックに襲われた。
しかしその夢を見る確率は少なく、運が良くないと見れない。
しかしここ数年、夢を見て超能力を開花させた人間が急増した。
能力による犯罪が増え、テレビでは普通の事件に混ざり超能力犯罪まで報道するSF映画のような世界になってしまった。
対能力者用の警察部隊まで出来てしまう程だった。
日本でも超能力犯罪が増えており、犯罪組織がいくつか出来上がっている。
世界の科学者達はこの摩訶不思議な自然現象を「スキルギフト現象」と名付け、日々原因解明に全力をそそいでいる。
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