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「本当に…俺は超能力を使えるようになるのか?」
グレ子はしばらく沈黙したが
ポツリとつぶやいた。
「ええ。あなたにはこれから超能力者として生きてもらいます。拒否することはできません」
「まじかよ…すげぇな…」
さっきまで小説の中だけの
絵空事だと思っていた超能力が自分の物になる。
黒井は湧き上がる興奮と緊張で
小刻みに体が震えている。
「(たしかに俺の存在してる世界も小説みたいに、超能力がこうやって存在してるけど…)」
黒井はあらためて
グレ子の顔を見る。
「(テレビの報道でしか見たことないし…この学校にも能力者はいるけど極力使わないようにしてるみたいだし…」
黒井の緊張した顔を見て
グレ子は声をかける。
「そろそろあなたの取得する能力について説明したいんですが…」
「実際こんなふうに超能力あげるなんて言われたら恐いもんだな…決めたぜ!グレ子!!その能力もらった!」
グレ子はため息をつくと能力の説明に入った。
「あなたの手にする超能力のランクは、ノーマルランク、スーパーランク、ハイパーランク、オーバーランクの中のオーバーランクに分類されます。」
「!?」
黒井は顔をひきつらせた。
さっきまでの体の震えがさらに加速する。
「オーバーランク…本当にオーバーランクなのか…」
「おめでとうこざいます。」
この世界の超能力は4段階のランクで分類される。
低い順で
ノーマルランク
スーパーランク
ハイパーランク
オーバーランク
このランクの付け方の基準は、謎の夢の住人が考えているのでよく分かっていない。
だが科学者達が公式に発表した仮説によると
ノーマルランクに指定される能力は微力で弱々しい能力であることが多い。
スーパーランクはノーマルランクより少し強力で応用力が効く便利な能力に付けられることが多い。
ハイパーランクに指定された能力はノーマル、スーパーより別格の強さを誇り
応用力も凄まじく、兵器や医療関係の明日を切り開くとも言われている。
そしてオーバーランク。
このランクに指定される能力は世界的に見ても少なく
日本にもオーバーランクの能力を所有している者は数人しかいない。
規格外の強さ。応用力の自由度。
神の如き能力に指定される。
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