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女子生徒達の悲鳴がクラスに響いた。
殴られた男子生徒は震えながら教室の後ろに逃げた。
異様な雰囲気に包まれた教室内。
そんな気持ちの悪い空気を振り払うように1人の男子生徒が大声で怒鳴った。
「いい加減にしろよ風舞!!みんなお前に迷惑してんだ!!お前はいつも暴力ばっかじゃないか!!なにもかもに反抗しやがって!!このゆとり教育の申し子め!!」
「なんだとてめぇ!!」
「邪魔なんだよクソ野郎!!学校来んな!」
その瞬間クラスメイト全員が手拍子しながら叫んだ。
「かーえーれ。かーえーれ。かーえーれ。かーえーれ。」
「てめぇら…!!!」
肝心の教師はというと完全に無視を決め込み、黒板を書いている。
クラスメイト全員の帰宅命令を受けている風舞は静かに口を開いた。
「わかったわかった。お前ら皆殺しにしてやるよ。とりあえずお前。今日の放課後、屋上にこい。」
大声を出した男子生徒に向けられた言葉。
男子生徒は顔をひきつらせる。
「は、はは…何を言うかと思えば…いいぜ!お前なんか怖くない!!」
「てめぇら全員覚悟してろよ!!この男潰したあと、皆殺しにしてやるからなぁ…!!」
風舞は机を蹴り飛ばし、教室から出て行った。
彼の去ったあとの教室は台風が通り過ぎた後のような空気が流れていた。
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