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■ ■ ■
太陽が半分沈みかけた放課後。
黒井と加藤は学校の屋上で人を待っていた。
「アトミの奴遅いな。」
「掃除だろ。あと少しで来るさ」
黒井は綺麗な夕焼けの空を見ながら呟いた。
「お前さぁ…超能力者になっちまった俺と…今まで通りの仲でいてくれるか?」
黒井の意外な言葉に加藤は軽く答える。
「なんだよ急に…別にお前がカエルになろうが、ザリガニになろうが俺はお前の友達だよ」
「気持ち悪」
「そのままそっくり返す。」
2人は笑いながら同じ空を見つめた。
加藤と黒井は別に以心伝心するほどの中ではない。
気が合うわけでもなく、趣味が合うわけでもない。
しかし黒井は加藤といつも一緒だった。
なぜか加藤と一緒にいると気が安らぐのだ。
加藤も一緒だった。嫌なことがあってモヤモヤした時でも、黒井と少し話すとすぐにモヤモヤが取れる。
加藤は黒井がよかったし、黒井は加藤がよかった。
つまり2人は大親友なのだ。
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