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「そんじゃ始めっかゴミクズ。」
生徒がほとんどいなくなった放課後の校舎の屋上で、風舞 風太は鋭い目線を少年にぶつける。
「なにすんだよお前…!暴力なんかに負けないぞ俺は!」
強気の言葉を放つものの、少年の足は小刻みに震えていた。
「足が震えてるぜ?まぁそうだよなぁ~これからお前死ぬんだから。」
「ふん!どうせ殴ったり蹴ったりだろ?殺せもしないくせに殺すとか言うんじゃねぇよ!!」
風舞風太は少し黙ったが、ゆっくりと口を開いた。
「あぁ?お前少し勘違いしてないか?お前らバカ共は、手を出したらいけない奴に手を出したんだよ。」
「へへ…なんだよ?あんな嫌がらせで切れてんの?不良の癖に器が小せぇな!!」
「吠えてろゴミクズ。俺はお前を今から殺す。他の連中も皆殺しにする。お前は俺に人殺しなんて出来ないとかぬかしたな?それは間違いだぜ?」
風舞は右手をゆっくりと少年に向けた。口が裂けるほどの笑みを浮かべながら。
「俺には失うものなんてねぇんだよ」
その瞬間、風舞の右手から砲弾の様な勢いで、空気の塊が噴射された。
「!?」
狂暴な空気の塊は屋上の地面のコンクリートを引き剥がしながら、少年の地面に着弾した。
凄まじい爆音。着弾した位置を基準に、コンクリートの上に小さなクレーターが出来た。
「ぐあああああ!?お前…!!てめぇぇぇ!!」
余りの衝撃に、少年は両足が吹き飛んでしまったと錯覚したが、足はかろうじて体から離れてはいなかった。
「この野郎!!この野郎!!能力使いやがった!ありえねぇ!!殺される!!コイツ本気だぁぁぁ!!」
完全にパニック状態になった少年は、滅茶苦茶になったコンクリートの上でもがく。
「ざまぁねぇなゴミクズ!!殺してやるよ!!お前もあの連中も皆殺しだぁ!!もう何も怖くねぇ!!」
風舞はもう一度、倒れている少年に手を突きつける。
「さっきのは加減したが次は本気だぁ。吹き飛べゴミクズ。」
空気の塊が風舞の手の平で圧縮されていく。
「死ね」
風舞は右手を大きく振り上げた。
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