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「悪いけどもう逃げらんないわよ」
薄暗い路地裏で木下 冬子は目の前にいる男達に言い放った。木下は長い髪がよく似合う少女で学生服姿が美しい。そして胸につけている特殊部隊バッチを男達に見せつける。
男達は木下を見つめ嫌な汗をかいている。
木下は男達の目の前に一枚の紙を突き出した。
「傷害、恐喝、殺人。犯罪行為のオンパレードね…。おとなしくお縄につきやがれ。」
木下は男達の一歩前にでた。
男達は後ろにズルズル後ずさる。
「4人か…男のくせして女1人にびびってんじゃないわよ。ましてや不良でしょ?ほら抵抗する気がないならそのまま跪きなさい」
木下は呆れたように頭をかきながら指示した。
そのとき4人のうちの1人が木下の前に歩みでた。
「…なめてんじゃねぇぞ…」
「は?あんた今なんか言った?」
「ただの警察が俺たちに指図してんじゃねぇぞ糞が!!」
その瞬間、男の手の平から炎が渦を巻ながら出現した。
男の手の平で徐々に大きくなっていく火球はさっきまで普通だった常識を壊していく。
「燃え尽きろ!」
男は、大型トラックのタイヤほどの大きさになった炎の塊を木下に放った。
通路いっぱいに広がった炎は木下目掛けて一直線に進む。
「ただの警察か…。言っとくけどね…」
目前に迫った炎に木下は右手を突き出した。
もちろん普通の人間ならそのまま炎に飲み込まれ灰になるだろう。
しかし木下は自分が普通の人間ではない事をわかっていた。
自分が特別な人間…能力者であることを。
「私たちはねぇ…普通の警察じゃないわよ?」
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