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そして風舞はそのまま腕を振り下ろす。
少年は目を閉じて自分が死ぬことを覚悟した。
家族との思い出や友達との思い出。
これら全てが走馬灯のように頭に映し出されていく。
一瞬の静寂。
しかし、いつまでだっても痛みが体を伝わらない。
自分は死んでない。
少年はゆっくりと目を開ける。
するとそこには…
突然、横から現れた少年の拳が風舞の顔面を思いっ切り殴打している光景が広がっていた。
不意打ちを食らった風舞は横に大きく仰け反り、そのまま派手に転がった。
「おい」
謎の少年に声をかけられた少年は驚いた顔で少年を見つめる。
「はやく逃げな。ここは俺がなんとかするから」
風舞はゆっくりと立ち上がり、奇襲をかけてきた少年を睨みつける。
「てめぇ…誰だ?」
「なにしてんだよ…」
「あ?」
「なにしてんだよって言ってんだよこの野郎!!」
謎の少年、黒井勇太は拳をゆっくりと握りしめた。
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