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その瞬間、活発に踊り狂っていた炎が空中に拡散し消え去った。
「なんで…たしかに俺の炎はお前に…なにをした糞女!?」
木下は向かってくる炎に対して右手を突き出しただけだ。
そう右手を突き出しただけ。炎はその右手に接触しただけで突然姿を消したのだ。
「だから言ったでしょ?普通の警察じゃないって」
「ざっけんなぁぁぁ!!」
男は懐からナイフを取り出し、木下目掛けて突進する。
後ろにいた男の仲間たちも武器を手に突撃する。
しかし木下の顔に焦りや恐怖はない。
彼女の澄んだ瞳は真っ直ぐと向かってくる男達を見つめていた。
男は木下の胸にナイフを突き出した。
それに動きを合わせ木下は横に身をかわした。
通路が狭いため、いくら多人数が相手でも1対1に持ち込める路地裏での戦闘知識をフルに活用した木下は華麗にナイフを避ける。
彼女が路地裏での戦闘を熟知しているのは恐らく、こういう輩が路地裏を巣にしているのがほとんどだからだろう。
木下は男の手の平に握られているナイフを見事な蹴り上げで叩き折る。
それでも諦めずに突っ込んでくる男の腹に前蹴りをおみまいした。
勢いよく倒れた男を無視して、木下は残りの男達も無力化していく。
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