それぞれの10月15日

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――――――――― 「うわっ!!なんだ今の…」 「どうかなされましたか?」 能力省、研究機関。 誰かの叫び声を聞いたような気がした 黒井勇太は辺りを見渡す。 受付の女性も心配そうに黒井を見つめる。 「嫌…すみません。気のせいだったみたいです。」 「そうですか。なにもなくてなによりです。では能力の登録と仮実験を行いますので、お名前をお呼びするまで今しばらくお待ちください。」 「はーい。」 黒井は受付を終えると研究機関のロビーに置いてあるソファに腰掛ける。 「それにしても凄い広さだな…」 研究機関の建物の天井はガラス張りで、淡い青色で統一されている。 それが何層にも積み重なり、美しい建物が出来上がっている。 その綺麗な透明感が建物全体の広さや奥行きを際立てさせていた。 ボーっとしている黒井の頭の中に突如として昨日の出来事が蘇る。 様々な負の面を抱えて暴走してしまった風舞風太。 黒井は悔しそうに青く透明な天井を見上げた。 「風舞…」 はぁ…と大きなため息をつく黒井。 「今頃なにしてるんだろ…」 その風舞がたった今、誰もが羨むハーレム状態に陥っていることを、黒井は知るよしもないだろう。
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