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黒井が物思いに耽っている間に、だいぶ時間が流れてしまった。
「うーん…こうしていても暇だなぁ」
いつまでも経っても名前を呼ばれない気がしたので黒井はある行動に移ることにした。
ソファから立ち上がり受付まで向かう。
「あのすみません…」
「はい!なんでしょうか!」
受付の女性は明るく黒井に対応する。
「あの…時間が長引くようだったら、呼ばれるまで外を散歩しててもいいですか?」
「あっ!申し訳ございません…!!全然かまいませんよ!!よかったら携帯電話の番号を教えてくださいますか?その方がお呼びしやすいので…!!」
「あ!そうですよね。わかりました。」
黒井はポケットから携帯電話を取り出すと、女性に番号を教える。
「はい!では時間がきたらお電話でお呼びしますね!」
「わざわざありがとうございます。」
黒井は女性に丁寧にお礼を言うと研究機関の建物の外に出て行った。
すると、黒井を見送った受付の女性は黒井がちゃんと外を出たのを確認すると小さくガッツポーズをする。
「(ウェェイ!!なんかわかんないけど男子高校生の携帯番号ゲットォォ!!彼氏無しの27歳!!恋愛の神様のプレゼントって奴かぁ!?)」
女性はニタニタしながら自分の携帯に番号を登録していった。
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