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研究機関の建物を出た黒井の体を昼間の太陽が明るく照らす。
そして黒井の目の前の大通りでは、忙しそうに多くの人間達が行き交っていた。
この人間達は全員、ただの一般人ではない。
能力部隊の隊員であったり研究機関の研究員であったり、能力省で働いている人間ばかりだ。
東京のド真ん中に作られた能力省は、丸く円を描くように存在している。
それはもう、1つの町と言ってもおかしくないスケールの面積だ。
能力部隊、研究機関、プリズン、メインタワー以外の建物も沢山存在している。
それのどれもが能力者に関係するモノばかりだ。
能力省は能力を把握し研究し支配する特別な町なのだ。
この特別な町に足を踏み入れることを許されるのは関係者だけだ。
よほどの高学歴、または能力の専門知識がなければ関係者の仲間入りはできない。
それゆえ入場規制は厳しく、一般人が入るには一苦労する。
まず能力省という町は普通の一般人が暮らす街と区別するように、周囲を巨大なダムのような黒い壁で丸く囲っているのだ。
外部から見ればそれはもう巨大な城だ。
日本の東京の真ん中に出来た独立国家と言っても過言ではない。
そしてその巨大な壁には東西南北に4つの入場ゲートが存在している。
そこから物資の移動や関係者の出入り、そして一般人の入場検査などをしている。
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