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黒井の学校はこの能力省の入場ゲートの少し近くにあった。昼休みを抜け出し電車で何分かかけて黒井は入場ゲートまでたどり着き、能力省の中の研究機関を訪れたのだ。
理由は能力の登録と実験だ。
自分の能力ランクの確認とその能力がどんな事象を起こすのか実験するのだ。
「研究機関のみなさん驚くだろうなぁ……なんせオーバーランクなんだもん俺の能力……」
オーバーランクの能力者は日本でも数人しかいない。
そして例外もいるようだがそのほとんどが研究機関で人類の進歩の為に実験に参加している。
そんな超貴重なオーバーランク能力者が今日いきなり検査しにきたら研究員全員ビックリ仰天するだろうと黒井は思う。
「めんどくさいことにならなきゃいいんだけどなぁ……」
そのとき黒井の携帯電話が鳴る。
すかさずポケットに手を入れて携帯電話を取り出し電話に出る。
「あっ!もしもし!検査の順番が回って来ましたので戻ってきてください!!」
携帯電話から聞こえてくる受付の女性の明るい声に、分かりましたとだけ答えると黒井は研究機関に戻って行った。
これが風舞風太と黒井勇太の
10月15日の午後12時から13時までの出来事である。
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