それぞれの10月15日③

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「感情的にならないでよ……この化け物が……」 少年は怒りの形相で剣先を女に移す。 そして剣の真ん中部分に付いている二つに分かれている刃が、気味の悪い重低音を響かせながら振動し始めた。 それに反応して、真ん中から真っ直ぐに伸びる女の方に向いた刃が赤く輝き始める。 それは壁を吹き飛ばした一撃を、もう一度行うということをアピールしているように女には見えた。 少年は怒りながら呟く。 「……ふざけたこと言ってんじゃねぇぞゴルァ!!体をバラバラに吹き飛ばすぞ!!この兵器がなんだか分かるよなテメェには!!」 女は冷静に答える 「“衝撃刃機”(ショックカトラス)……だったかな。“未来兵器”(ネクストメイカー)が生み出した未来の兵器の一つだ。一秒間に何百万回と高速振動するエネルギーをそのまま対象にぶっ放つ大量殺戮兵器。さっき見た時に初見のようなリアクションをしたが私はすでに知っていたよ」 少年は声を荒げながら叫ぶ 「説明しろこの野郎!!!!なんでだ!!なんで研究機関は“未来兵器”(ネクストメイカー)の研究を打ち切る!?なぜだ!!なぜなんだぁああ!!」 完全に少年は取り乱していた。 もはや冷静だとか落ち着いてるだとかそんなモノとはかけ離れている状態だ。 それに比べて冷静な女は言う 「簡単なことだよ。私達の科学技術じゃ“未来兵器”(ネクストメイカー)を完成させることはできないんだ。それにもう満足だろ?“未来兵器”(ネクストメイカー)で生み出せた兵器はたくさんある。これ以上はいらないよ」 「ふざけんじゃねぇ!!」 少年は女を睨みながら叫ぶ 「……テメェら研究機関が一度始めた研究をほっぽりなげるタマかよ!!なにか別の理由があるんだろうが!!吐け!!」 少年の持っている未来の剣が不気味に呻く。 女は冷静に呟いた。 「……ショートカットだよ」 「ショートカット?」 あぁと女は言った後に言葉を続ける 「……そもそも我々研究機関が“未来兵器”(ネクストメイカー)を完成させようとした理由はなんだと思う?」 無言になった少年に女は続ける 「兵器さ。他の国が開発できるわけがない未来の兵器が欲しかったからだ。そうすれば日本はアメリカだって中国だって恐くない。我々は“未来兵器”(ネクストメイカー)の生み出した未来の兵器が欲しいのだよ」 女は冷たい目で少年を睨む
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