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「ふん♪ふん♪」
二時間目の国語の授業。
クラスのみんなが黒板に書いてある難しい漢字や、文章をノートに写している中で
黒井勇太だけが小説を読んでいた。
「とある魔術の禁書目録」
魔術やら超能力がわんさか出てくる今流行りの大人気ライトノベルである。
「一通さんかっけぇぇ…」
黒井は先生に見つからないように机を盾にして小説を隠しながら読んでいる。多少読みづらいが余り気にしてないようだ。
「これ読み終わったら寝よ。」
「ほほう。そんなに私の授業がつまらんか」
黒井が驚いて顔を上げると、ハゲた頭をピカリと光らせた国語の若林先生が立っていた。
「いやっ!!あのちがうんです!あの…!!」
「いいよいいよ。別に。小説なり漫画なり読んでな。あとで困るのお前だから。」
それだけ言うと先生は教卓に戻っていく。
小説を没収しない所が逆に恐い。
「はは…寝るか。」
黒井は小説を机の中にしまうと教科書を枕にして、就寝準備を整えた。
前の方で先生のため息が聞こえたが黒井はそのまま深い眠りに落ちていく。
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