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しかし、そうはいっても他人の話。あたしは気を取り直してビールの蓋をあける。
夏の始まり。涼しい風を浴びながら、最初の一口を味わう為、ベランダに出る。
「あ…」
水嶋さんだ。
隣との軽い仕切りはあるものの、その存在を確認することはできる。
水嶋さんもあたしに気づいた。
「今度はベランダで再会か。」
水嶋さんは仕切りのすき間から、さっきの騒動を感じさせない微笑みをした。
「…大丈夫なんですか?」
それだけ言うと、水嶋さんはあたしの言いたい意味をを理解したようだった。
「さっきの?うん、大丈夫だよ。思ってたよりダメージはなかったかな…」
あたしはそれ以上、どう突っ込んでいいのか分からず黙っていた。
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