17人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
そぅか…
あたし、軽い人だなんて水嶋さんを誤解してたのかもしれない。きっとこの人なりに一生懸命悩んだ結論なんだ…
二人に沈黙が訪れる。
夜の風が気持ちいい。
「ビール…飲みます?」
あたしは冷蔵庫にもう一本あるBudweiserを思い出す。
「冷えてて美味しいですよ。あたしだけ飲んでるのも悪いし。」
あたしは笑いながら言う。
「…ありがとう。」
あたし達はその後もくだらない話をして語り合った。水嶋さんとの話が楽しくて、会話に終わりを告げそうな最後の一飲みをできるだけ遠ざけた。
そんな事を思っていると、
「希ちゃん。確か彼氏いないんだよね?」
水嶋さんの急な問いかけに、少しドキッとする。
水嶋さん…彼女と別れたばっかりなのに…
まさか…
いやでもあたしはまだ…
「俺の後輩紹介しようか?」
勝手なあたしの勘違いをよそに、意外な台詞が水嶋さんの口から出たのだった。
最初のコメントを投稿しよう!