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私――長瀬梨華は産婦人科の診察台の上で、脚を広げた状態で横になっていた。 脚の付け根から私の腹部にかけて、タオルがかけられている。しかし下着を付けてない為、何処か心許ない。 臍の辺りにカーテンが下り、診察室を仕切っている。 カーテンの向こうから人の気配がした。 医者と看護師が入って来たのだ。 「長瀬さん、こんにちは」 ここの産婦人科医は女性だ。私は気にもしてないが、やはり初めて診て貰う女性には人気があるらしい。 それなりに盛況だ。 「じゃあ、ちょっとごめんね」 先生の手袋を嵌めた、ひんやりとした手が内股に触れる。次に、私の内側に検査の為の器具が挿入された。 私は避妊手術を受けている。 少し前まで避妊リングを入れていたが、今は違う避妊方法に変えていた。 勿論、より避妊を確実なものにする為、ピルも服用している。 ピルは処方箋を貰いに毎月来院しなければならない。 そして避妊手術を受けた場合、定期的に検診を受けなければならない。 面倒だ。 しかし私は、文字通り自分の身体で生計を立てている。客のどんな要求にも応えるのがウリだった。 勿論、病気は困るが、それ以上に妊娠は困るのだ。
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