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☆……
「ふわぁ~おっきい桜の木!」
「……時間ないぞ?」
「あ、ごめん」
なんとか時間ギリギリでついた。
他の生徒はすでに集会ホールに集まっているらしく、人影は見当たらない。
「すぐそこの、あれが、集会ホールだから」
校門から右斜め先に見える建物を指差しながら言う。
「けっこー近いんだぁ。これなら遅刻は誤魔化せそうだね」
悠里はそれを頷いて肯定し、足を止めた。
「じゃあ、俺はこれで」
「え? 君は出ないの?」
驚いた表情で少女は問う。
まぁ案内した本人が出ないって言うんだから当然だ。
「集会とか、人が集まる場所は、苦手、なんだよ」
デフォルトで睨まれ続けるやつが、いきなり密閉空間で極近距離に人を置かれてみろ。
どんだけキツイかは経験しないと分からないだろう。
肩が触れようものなら全力でぶっ叩かれそうな勢いだからな。
というかちょっとの会話でこんなに声震わせてる時点で、人付き合いが苦手そうくらいには察してほしい。
「ふ~ん……」
「てか、俺のことは、いいから、早く行かないと、遅刻が、バレるぞ?」
「あぁそうだった! じゃあもう行くから!」
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