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命は自然と人に好かれ易い。
だがそれは所詮、表面上の話だ。
裏では何を言われているか分からない。
うちの両親だって、モデルになれとうるさい裏には金銭事情があるだろうし、友達には一度裏切られた。
それに、今まで告白をしてきた男の子は、皆私の顔しか見てない。
だから私は、ホントは誰にも愛されていないんだと思ってる。
それでも表面上の付き合いはやっているが、正直嫌で仕方がないから疲れるのだ。
本当に醜い考え方だと命自身思うが、別に間違っているとも思わない。
とりあえず、疲れた。
さっさと帰ろうと思い、朝教えてもらった道を逆に辿っていく。
「あ、そうだ」
彼に、まだお礼すら言っていない。
というか名前も知らない。
クラスも同じなのに、なんでこうなったんだっけ?
顎に手を当てて考え、自己紹介の時のことを思い出す。
確か、話しかけたらクラスの雰囲気が変になって、そこで彼は知らないふりして、わけが分からないまま流されてしまったのだ。
なぜ彼に話しかけた途端、変な空気が流れたのかは分からない。
そう、ただ話しかけただけなのに。
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