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暗闇の中、彼が私を触れる感覚が
私の躰を……愛しく刺激していく。
何度も……繰り返される波に、
私は身を委ねた……。
*
朝、目が覚めた時、
私の隣で静かに寝息をたてて眠る
彼を見て安堵する。
この時間が……どれだけ愛しくて……
どれだけ大切なものなのかを良く知っているから。
神威を起こさないように、
ベッドからそっと抜け出してキッチンに立つ。
彼の家の冷蔵庫を我が物顔で開けて朝食作り。
レタスがあるでしょ、
きゅうりにトマトにハム。
玉子は分厚く厚焼き玉子。
そうね、
今日はサンドウィッチとサラダにしよう。
ありふれた朝食だけど、これが手軽で一番、
ヴァリエーションが豊富だから。
ガスコンロにお鍋をかけて
まずはお湯をわかす。
そして……もう一つのコンロで
少し甘めに仕上げた卵焼き。
まな板の上ではリズミかるに胡瓜を刻んで、
レタスを細かく千切っていく。
そして……ハム。
焼けたトーストにバターとマヨネーズを塗り、
レタス・胡瓜・ハムをのせて仕上げに分厚く焼いた卵焼き。
上から……ケチャップをかけて、
もう一枚のパンでプレス。
ゆっくりと半分にサンドウィッチを切る。
沸騰したお湯でお気に入りの珈琲を注ぎ込む。
珈琲が入るまでの間にサラダをささっと仕上げて
暖めた珈琲カップに静かに珈琲を注ぎ込む。
珈琲の香りが部屋中に広がっていく。
ちょっぴり甘く砂糖をいれてミルクを混ぜて。
朝食をダイニングのテーブルに運んだ頃、
彼が起きてきた。
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