ハツコイ。

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クラス表が張り出された中庭は当然だけどいつもより人がたくさんいて、 わたしはその人ごみを避けるように、満開になった桜の木の下に立っていた。 「…春かぁ」 呟いてみる。 「…春だね」 いつの間にか隣に立っていた江美も呟く。 「…柚宇、あたし、彼氏できた」 ピンクに染めた頬。 表情からして、相手はずっと好きだと言っていた先輩だろう。 おめでとう、と返事をすると、江美はニッと笑ってみせた。
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