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花びら
一人に慣れた帰り道
つま先とアスファルト
顔を上げたら其処は
僕の嫌いな春でした
転んでは泣き出す青い僕らも
歪んだ思いでいつしかきっと
大人になっていくのでしょう
聞こえる筈も無いのに
懐かしい澄んだ声
顔を上げたら其処は
君のいない春でした
緩んでは咲き出す淡い桜も
掴んだつもりでいつしかきっと
色褪せた事に気づくから
窮屈なポケットで握り締める手
花びらに夢中だった小さな手
重ねて
転んでは泣き出す青い僕らも
歪んだ思いでいつしかきっと
大人になっていくのでしょう
浮かんだ花びら
見つめる僕らは
大人になっているのでしょう
笑顔になっているのでしょう
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