141人が本棚に入れています
本棚に追加
無事上り終え
あがってしまった息を
整えるため
その場で目を瞑る。
そよそよと吹く
夜風が心地良い。
ふ、と
君の香水の薫りが
鼻を掠めた気がして
瞼を開けて
家へと続く廊下に目をやれば
「蒼星くん、お帰り」
優しく微笑んでいる
きょーくんが立っていた。
「どうしたの!?」
まさか自分の家の前に
好きな人がいるなんて思ってもみなかったから
慌てて駆け寄る。
そしたら、君は
やっぱり優しく微笑んで
「お弁当一緒に食べようと思って」
と、コンビニの袋を片手で掲げてオレに見せた。
思わず腕時計を見る。
もう夜の11時をまわっていて
スーツ姿の君は、きっと会社が終わって直接来てくれたんだろう。
「何時からまっててくれたの?」
何時間も待たせてしまった事が
申し訳なくて。
しかも待たせた理由が
知らない男とヤっていたなんて…
.
最初のコメントを投稿しよう!