二人の結末

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「―茂美さん…」 香川茂美は春菜の写真を出していた。 目は涙ぐんでいる。 「―いつかきっと、こうなることは分かっていました。―どうか佑哉を宜しくお願いします…」 「―ありがとうございます…お義母さん」 島中の住民がから、歓声と拍手が沸いた。 ~*~*~*~*~*~*~*~* 「佑哉!お弁当忘れないでね」 「―あ、ごめんごめん」 「さ、純!幼稚園行くわよ~!」 「は~い!」 雅は今までの事務所はたたみ、ガイドブックや旅行パンフレット、ハガキに島の風景の写真を載せる仕事を始めた。 純一はフェリーで幼稚園へ通うため毎日雅が車で送迎している。 そして佑哉は雅が止めても、何度か雅の両親に会いに行ってくれているが、まだ認められてはいない。 ―けれど、佑哉と純一と一緒にこの島に住んでいられることがかけがえのない幸せだった。 雅はカメラを抱えて、純一の手を握り、家を出る。 海はいつもの様に青蒼色に輝いていた。 ~fin♪~
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