幸子...

2/2
前へ
/23ページ
次へ
幸子、お前はいつ私を忘れるのだろうか 戦後何年か後に結婚し、子供を授かりお前が妻で本当に良かった。 最近お前は医者から「認知症」と診断された。お前が外に出る時も私は側に居ないといけない。この前の様に、道に迷うからだよ。 この前ついに、息子が誰かさえも分からなくなったんだね。 私にできる事はお前とずっと一緒にいること、お前の手を握ってあげることだ。 幸子、一人で逝かないでくれ 私を一人にしないでくれ。 お前が逝ったら、私は一人になってしまう。私を一人にしないでくれ 幸子、私の事を忘れないでくれ この手の温もりを忘れないでくれ 私の名前を呼んでくれ 私とずっと居てくれ
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加