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「残り物…?」
「はい…。
夕飯の残り物を
瑠威ちゃんにあげてるんです。」
「…いつもか?」
「はい。」
夕飯の残り物を瑠威はいつも持ち帰っていた。
涼は不思議で仕方なかった。
「なんで残り物なんか…」
「…」
「なにか知ってんのか?」
「…!」
「…」
全く他人を気にしないのに瑠威の事はかなり気にかけている涼を見て女は……
「…瑠威ちゃんの家は、両親と瑠威ちゃんとお兄さんが居たの。だけど8歳の時に離婚してね…、お兄さんの方は父親。
瑠威ちゃんは母親…それぞれ分かれたんだけど、その離婚の原因は母親の浮気で瑠威ちゃんが学校から帰るといつも他の男を家に連れ込んでいたらしいの…、今じゃ…働きもせず毎日お酒飲んでるって…だからいつも瑠威ちゃんは、残り物を持って帰って食べてるの。」
「…そうか…。」
「私が知ってるのは
このくらいです…。」
涼は【残り物】に対しては理解したが後ひとつ気になる事があった。
「…あとさ、
なんでいつも長袖長ズボンなんだ?」
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