第一章

12/21
前へ
/23ページ
次へ
「そんなものまであるのかよ・・・」 将人が取り出したのは真っ黒い黒光りした拳銃だった。 「ああ。これ重いし本物だぜ」 「でも、将人そんなの使えるのか?」 「まぁな。昔海外に旅行に行ったときやらしてもらったことがあるんだ」 将人はそう言うと拳銃をポケットに直した。 「どうした麻里?大丈夫か?」 さっきから麻里が暗い顔して俯いている。 「うん。私達本当に人を殺さなきゃいけないのかな?って。もしかしたら、夢なんじゃないのかな?って思っちゃって」 俺と将人は何も言えなかった。 「そうだよな。今まで普通に生活してきたのに、いきなり殺し合えって、無理があるよな」 俺は、俯いて元気のない声で言った。 「でも、これは現実だ。現に体育館で1人死んでる。やらなきゃ俺らがやられるんだ」 将人は俺達に厳しい眼差しを向けてそう言った。 「将人は凄いね。こんな状況でそんなこと言えるなんて」 「凄くなんかねぇよ。」 俺達が暗い会話をしていると放送が鳴った。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加